はなうらない
それに、あの時、八橋さんに背中を抱いていて貰えなかったら、私はこんなに元気じゃないかもしれない。
「祖母の家、代々受け継がれてる家で、生きていたら両親が住んでたと思うんですけど、結構前に事故で亡くなってまして」
八橋さんになら話しても良いかな。
誰かに他人の事情をペラペラ喋るような人じゃないし。
「姉が住むって話で最初は私もこっちに来たんですけど、結婚して家建てることになったらしくて。そのときは祖母も元気だったので」
「花屋の方はどうするんですか?」
「廃業ですかね。私は経営の素質がないから」