贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
結婚して まもなく7年。
何不自由ない 贅沢な生活。
私なりに 精一杯 頑張ってきたけれど。
最近 ふと寂しくなる瞬間があって…
結愛が 生まれたばかりの頃は
すべてに 必死で 夢中だった。
だから こんな風に 考え込む 余裕なんて なかった。
結愛は 健康で 素直に 育っているのに
どうして こんなに 寂しいんだろう。
結愛が 少しずつ成長して
私から 離れていってしまうから?
ううん 違う…結愛の成長は 私の誇り。
毎日 心を込めて 結愛を育ててきたから。
自分の全てを 結愛に 注ぎ込んで…
まずは 結愛を 幼稚園に合格させること。
夫の悠樹が 通った大学の 付属幼稚園。
よっぽどのことが ない限り
幼稚園に 合格すれば
大学までの道が 約束されている。
結愛が 1才になった頃から
私は結愛と いくつかの 幼児教室に通い
幼稚園受験の 準備をしてきた。
悠樹は 結愛を その幼稚園に
入園させたがっていたから。
日常の生活にも 心を砕いて。
結愛の 子育てに 集中してきた。
だから 結愛が 合格した時は
自分のこと以上に 嬉しかったし。
悠樹も とても喜んでくれた。
でも 結愛の合格は
悠樹の力が 大きいことを
私は 後から 知った。
悠樹は たくさんの寄付を 約束していた…
結愛が 大学を卒業するまでの間 ずっと。