贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚

2週に1度が 10日に1度になり

金曜の夜は 必ず 一緒に 食事をするようになって。


悠樹を 好きになる自分を

私は 必死で 抑えていた。


悠樹の恋人には 絶対に なれないから…


好きになってしまえば

辛くなるって わかっていたから。


でも もう私は 悠樹を 好きになっていた。


悠樹は 私が 思っていたような 

傲慢な性格じゃなくて。

優しくて 思いやりがあって…


食事をしながらも 私に 気を配ってくれて。

だから私は いつもリラックスして 

悠樹との時間を 過ごした。


「前田さん 恋人いないの?」

「はい。出会いがなくて。大学も 女子大だったので。」

「そうなんだ…恋人 欲しくないの?」

「うーん。今は 仕事が楽しいから。それに私 恋人とか よくわからないんです。」

「えっ?どういうこと?」

「恋愛経験が ないから。だから 1人でも 寂しくないし…」


「ねぇ 前田さん。俺と 付き合ってみない?」


悠樹に 言われたのは 11月に入ってから。







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