贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
「悠樹さん 兄弟は?」
「姉が1人。もう 結婚しているけどね。」
「じゃ 今は ご両親と 3人で 暮らしているの?」
「ううん。俺は 家を出ているから。実家は 両親だけだよ。俺は ベリーヒルズレジデンスで 1人暮らし。」
「へぇ。1人暮らし 不便じゃないですか?」
「うーん。食事は 外食ばっかりだし。掃除や洗濯は 週に2回 コンシェルジュが やってくれるから。」
「すっごいー。」
「明日香は?1人暮らし 大変?」
「私も 食事は コンビニが多いかな。でも 掃除とか洗濯は 自分でしますよ。」
「えらいねぇ。」
「大学生の頃から ずっとだから。大変じゃないけど。」
「明日香 兄弟は?」
「私は 弟がいます。2才違いで まだ大学生です。」
「弟さんも 東京なの?」
「いいえ。弟は 長野市の大学なので。でも 実家からは 遠いから 大学の近くに 下宿しています。」
「じゃ 明日香の実家も ご両親だけ?」
「はい。楽だって 言ってるけど… 多分 強がりです。」
「そうだね。本当は 寂しいんだろうね。」
ボートに乗って 向かい合って話す。
私は 初めて 悠樹に 個人的なことを 聞いた。