贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
結愛は お行儀よく 食事をしながら
幼稚園のことを 悠樹に話し。
結愛を 愛おし気に 見つめる悠樹は
時々 照れた顔で 私を見る。
「仕事 やっと 少し落ち着いたから これからは もっと 家族の時間を 作れるからね。」
「本当?悠樹さん お疲れ様。」
「うん。明日香には 随分 無理させたね。」
「いいえ。私より 悠樹さんの方が 大変だったでしょう。」
「結愛のことも 明日香に任せっ放しで。不安だったろう?」
「そんなことないわ。悠樹さん いつだって 私の話し 聞いてくれたから。」
食事の合間に 私達は 短く伝え合う。
今夜 家で話せば いいことだけど。
あえて 今 話してくれた悠樹から
強い感謝を 感じて 私は 胸が震えた。
「柴本様 いつもありがとうございます。」
「こちらこそ。今日も 美味しく頂きました。」
「ランチを 召し上がって頂くなんて 珍しいですね。」
「ええ。娘に ねだられまして。たまには ゆっくりランチを 頂くのも いいですね。」
「ご満足いただけて 光栄です。」
会計をしながら 悠樹は 話しかけられて。
こんな風に いつも 見られている…
私も しっかりしないといけない。
悠樹の妻として 結愛の母として。
身が引き締まる思いは 不安を呼び覚まし。
やっぱり 私は 心細い…
結愛の手を ギュッと繋いで
私は 小さく ため息をついた。