贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
悠樹のご両親は 100% 納得しては いなかったと思う。
でも 悠樹と私を 信じて
私達の意志を 尊重してくれた。
悠樹は 私との結婚を 会社に発表した。
私は 悠樹の部屋で 一緒に暮らすようになり。
会社は 私の話題で 持ちきりだった。
「前田さん 水くさいわ。副社長と 付き合っていたなら 私には こっそり 教えてよ。」
横山さんに 冷やかされ
私は 真っ赤になって 言い訳をする。
「すみません。でも こんなことに なるなんて 私も 思ってなかったから。」
「でも 副社長って 案外 人を見る目 あったのね。前田さんなら 大丈夫。絶対 良い奥様になるわ。」
「いいえ…私 全然 自信ないんです。」
まるで 入社してすぐのように
横山さんに 弱音を吐いてしまう。
「大丈夫。自信を持って。前田さんは 素直で 何でも 一生懸命 頑張る子だから。きっと 副社長の 力になれるわ。」
「私 普通の家で 育ったから。経営者の家って 全然 わからないし。副社長を支えること できるでしょうか…」
「できるわ。前田さんなら。副社長って ああ見えて 会社の女性と 噂になったこと 一回もないの。きっと 前田さんのこと 本気で 好きになったのよ。」
「そんな…私 そんな価値 ないのに…」
「ううん。前田さんは すごく良い子よ。私の 愛弟子だもの。自信を持って。」
「横山さん……」
私は 横山さんの 励ましに
涙を 滲ませてしまった。
悠樹のことは 大好きだけど。
やっぱり 不安は 大きくて。