贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
久しぶりに 満たし合った後は
夫婦なのに 照れくさくて…
「悠樹さん…」
「んっ?どうしたの 明日香。」
甘いため息の 続きのように
私は 悠樹の腕に 抱かれたままで。
「あのね…今さらなんだけど…悠樹さんに 聞きたいことがあるの。」
「なあに?言ってごらん。」
「あのね。悠樹さん どうして私を 選んでくれたの?」
「んっ?明日香が 可愛かったから。」
「もう…真面目に答えて。」
「本当だよ?明日香 俺の好みに ピッタリだったから。」
「まさか~。そんなわけないわ。」
「明日香は 自己評価 低過ぎ。」
「だって。私 悠樹さんに 出会うまで 恋人 いなかったのよ?私に 注目してくれる人なんて いなかったのに。」
「それは 明日香の回りに 人を見る目のある人が いなかっただけだよ。明日香って 顔が可愛いだけじゃなくて。仕事も 一生懸命やっていたし。」
「そんな…悠樹さんに 声をかけてもらった頃 私 何もできなかったわ。」
「ただ お茶を出すだけでも 人間性って わかるんだ。」
「えっ?」
「明日香は 思いやりのある 性格だって 俺は すぐに見抜けたよ。」
「私…田舎者の 世間知らずだったのに…」
「だから 良かったの。明日香は 真っ白で。全部 俺が染めたんだ。」
真面目に 問いかけたはずなのに。
いつの間にか 会話は 甘い吐息に 変わっていた。