贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
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悠樹との 新婚生活は 夢のように 幸せだった。


悠樹は 立場上 遅く帰ることも 多かったけど。

いつも 笑顔で帰宅して。

私達は 2人の時間に 色々 話した。


ずっと家にいる私は 退屈しのぎに

お料理や フラワーアレンジメントを 習った。


悠樹は その日の 仕事のことを 

私に 詳しく 話してくれたし。


私も 料理やお花の教室のことを

悠樹に 話して聞かせた。


遅くまで 2人で話し込んでしまい

驚いて 慌てて 眠ったり…

そんな 幼稚なことも 幸せだった。


悠樹に 熱く 求められることも

胸に抱かれて 眠ることも

悠樹と一緒に 過ごす毎日が 幸せで。


私は 何も疑うことなく

この幸せが 続くことを 信じていた。


私が 妊娠に 気付いたのは 

結婚して 1年になる前。


「あのね。今月 生理が遅れてるの。」

「もしかして できた?」

「まだ わからないけど…」

「検査薬 やってみた?」

「ううん。明日 やってみるね。」

「陽性だったら 早めに 病院に行こう。」

「どうかな?」

「できているといいね。楽しみだなぁ。俺と明日香の 赤ちゃん。」

「私も。でも ちょっと怖い。」

「怖くないよ。俺も 一緒に 頑張るから。」


その時 私は 25才になったばかりで。 

友達は みんな独身だったから。


具体的な 出産のイメージが 湧かなかった。

ただ 悠樹が 喜んでいることが 嬉しくて。

親になる自覚も 責任も よくわからなかった。








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