贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
「明日香。子供の名前 ” ゆあ ” って どう?」
年が明けてまもなく 赤ちゃんの性別がわかると
悠樹は 少し照れた顔で 私に言った。
「ゆあ?何か 意味があるの?」
「悠樹の ” ゆ ” と 明日香の ” あ ” 。漢字は まだ決めてないけど。可愛いだろう?」
「うん。ゆあちゃん。可愛いね。」
お互いの名前の 頭文字を取って ” ゆあ ”
2人の 愛の結晶だから。
「ねぇ 悠樹さん。私 漢字を考えてもいい?」
「もちろん。じゃ 名前は ” ゆあ ” で 漢字は コンペ形式にしよう。」
「コンペ形式?」
「そう。俺と明日香で 案を出して その中から 決めるの。」
「うん。楽しそう。私 たくさん 考えるね。」
その日から 私達は お腹の子供に
” ゆあちゃん ” と呼んで 話し掛けた。
2人で 毎日 色々な漢字を 調べて。
最後まで残った 2つの漢字。
私の提案の 悠亜。
悠樹の提案の 結愛。
「悠亜だと 悠が俺と被って 不公平だから 結愛にしよう。」
「そうね。愛を結ぶって すごく綺麗な名前。」
「違うよ。俺と明日香は 愛で結ばれているから。」
「悠樹さん…」
結愛は 私達の 愛の塊。
私も悠樹も 結愛の誕生を 待ち望んでいた。