贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
電話で確認して 予約が取れたホテルは
窓から 富士山が見える 広々した部屋で。
レストランで 食事をして
大きなお風呂に 入って。
ずっと燥いでいた 結愛は
あっという間に 眠ってしまう。
「悠樹さん。ありがとう。」
いつもと 違う雰囲気に 少し照れながら。
結愛が 眠った後で 2人で話す時間。
「ううん。俺の方こそ。明日香も結愛も 喜んでくれて 良かった。」
「いつも お仕事で大変なのに。疲れたでしょう?」
「全然。家族で 出かけられない方が ストレス溜まるよ。俺 出かけるの 好きだから。」
「忙しくなる前は 色々 連れて行って もらったものね。」
「日常から離れると 気分転換になるし。明日香の喜んだ顔も 見られるからね。」
「悠樹さん?そんなこと言って。明日 何か 欲しいんじゃない?」
「ハハハッ。いつも 言ってるでしょう。俺は 明日香と結愛がいれば 何もいらないって。」
「もう…本当に 上手いんだから…」
社長に 就任してから 悠樹は 忙しくて。
こんな近場の 小旅行さえ してなかったけど。
本当は 悠樹だって
自由に出かけたいと 思っている。
我慢しているのは 私だけじゃない…
それは 驚くほど 新鮮な発見だった。