ずっと、そばに
抵抗しても全く効果なく、すぐそこにあった大きな建物に連れていかれた。
ここは、私が小学生のとき通院していた病院…
消毒液の臭いがツンとして、
怖かったことまで,思い出してしまう。
熱のある中,注射や点滴を無理矢理されたこと
お母さんに
『病院で泣くなんて恥ずかしい。いい加減にしなさい』
って怒られた記憶などすべて。
そんな恐怖とっくに忘れていたはず。
なのに手が小刻みに震えて、男の人の顔も見れなくて目をギュッとつぶってしまう。
「ごめんね。病院怖いよな… 」
男の人は私の様子に気づいた。
何も言ってないし、話したって、
怖い気持ちなんてわかってもらえなかったのに…
手の震えは止まらないけど、
目を開けて男の人をジッーと見てしまう。