ずっと、そばに
しばらくすると…
少しだけ開いている、リビングのドアの向こうから、
美味しそうな匂いが香ってきた。
「陽菜ちゃん、できたよ 」
完全にドアが開けられて、真緒さんが入ってくると
テーブルの上に2つどんぶりが置かれた。
どんぶりの中身はカツ丼。
「エネルギーのつくものって思っていたら、朝からこんなに重たくなっちゃった。
残してもいいから食べられるだけ食べて 」
「私のために、ありがとう………」
「ううん、私も夜勤明けで朝ごはん食べてなくて、めちゃくちゃお腹空いていたから
いただきます 」
そう言って、箸をもって、モリモリ食べる真緒さん…
キレイなスタイルから見合わないほどよく食べるみたい
その食べっぷりを見ながら、私も箸を持ち「いただきます」と言ってから口にする。
…美味しい
一口食べると卵の味が口の中に広がって
どんどん箸が進み、空腹のお腹が満たされていく。