ずっと、そばに

しばらくすると…


少しだけ開いている、リビングのドアの向こうから、
美味しそうな匂いが香ってきた。



「陽菜ちゃん、できたよ 」


完全にドアが開けられて、真緒さんが入ってくると
テーブルの上に2つどんぶりが置かれた。

どんぶりの中身はカツ丼。



「エネルギーのつくものって思っていたら、朝からこんなに重たくなっちゃった。
残してもいいから食べられるだけ食べて 」


「私のために、ありがとう………」


「ううん、私も夜勤明けで朝ごはん食べてなくて、めちゃくちゃお腹空いていたから

いただきます 」


そう言って、箸をもって、モリモリ食べる真緒さん…

キレイなスタイルから見合わないほどよく食べるみたい


その食べっぷりを見ながら、私も箸を持ち「いただきます」と言ってから口にする。




…美味しい

一口食べると卵の味が口の中に広がって
どんどん箸が進み、空腹のお腹が満たされていく。




< 100 / 171 >

この作品をシェア

pagetop