ずっと、そばに
翔馬side
翔馬side
……来ないな
診察室の時計を見ると陽菜ちゃんが検診に来る予定の時間より30分も過ぎていた。
待っていても来る気配はなく
何かあったか、陽菜ちゃんの自分の意思で来ないかしか考えられない。
家に電話しようと思ったその時、隣にいた真緒が立ち上がる。
「私、一度家に帰っても良いかな?
もしかしたら私の家に陽菜ちゃんがいるかもしれないから 」
「真緒、どういうこと!? 」
真緒には陽菜ちゃんの検診のときに、
サポートに入ってもらう予定だったから、陽菜ちゃんが来なければこの後の予定はない。
でも、真緒の家にいるなんて
事情を知っているはずだから呼び止めた。
「今まで翔馬には何も言わなかったけど
実は私、5日前に陽菜ちゃんに会ったの……… 」
真剣な表情と声の真緒…
いつもは顔も声も明るいのに…
少なくとも俺の前でこんな真面目な雰囲気になったことはない