ずっと、そばに
5
温もり
遊具の中に身を潜めて30分ほど…
冬の日は短く子どもが遊ぶ短いトンネルの中も
暗くなってきた。
怖い。寒い。…お腹空いた。
寒さをしのげる壁と屋根があって
最低限の食べ物がある家の存在がありがたい
なんて今頃になって身にしみて感じる。
でも………それでも、
もう戻りたいとは不思議なほどに思わない。
それ以外の面で私にはあの生活は耐えられない…
何にしても、生きることに耐えられないんだよね
結局は………。
バシャッ、バシャッ
絶望の中、耳に変な音入ってきた。
何…の音………?
もうすぐ夜…しかも、雨の勢いも止まらない。
なのに、よく耳を傾けると、靴で水たまりを踏む音がすぐ近くで聞こえていた。
嫌な感じ心臓が、ドキッと跳ねる。
呼吸はできるから発作とは明らかに違う。
……誰?
声が出そうになったけど、慌てて口を塞いだ。