ずっと、そばに
「こんなに冷たくなって。…でも、よかった。
事故にあったんじゃないかとか、どこかで倒れたりしてないかとか、心配で仕方なかった。
本当に陽菜ちゃんが無事でよかった 」
翔馬先生は私を抱きしめた。
全く怒りもしないで…。
病院になんて行かないって、勝手なメッセージを送ったのに、心配してくれている。
「…………どうして…。探したの? 」
私が来なくたって翔馬先生は他に仕事があるのに…
なんでここまでしてくれたの? 私、ただの患者だよ
他にも大事な患者さんがいるのにどうして?
私のために?
「陽菜ちゃんが、検診に来ないから 」
「…患者は私だけじゃないよ…」
「分かっている。でも、気がついたら身体が勝手に動いていた 」
私を抱きしめながら答える翔馬先生…
先生まで雨に濡れていて少し冷たい。
私のせいで風邪引いちゃったら…と思うと急に心配になってきた。
「傘は… ?翔馬先生も濡れてて冷たいよ 」
「そういえば、雨降ってたな。
陽菜ちゃんのことが頭にいっぱいで忘れてた 」
そういえばって…。
ずっと前からからすごい音で雨降っていて、少しくらい急いでたとしても忘れるはずない天気なのに