ずっと、そばに
「陽菜ちゃん、もうすぐ真緒が車で来てくれるけど
それまで寒いからな 」
ーバサッ
翔馬先生が来ていた白衣が、上からかけられた。
濡れているのに、翔馬先生の体温により少し温かい。
翔馬先生のいい匂いもする。
でも、白衣を脱いだ翔馬先生は中が半袖。
病院は暖房が効いているから良いのだろうけど、ここは冬の夜の気温。
寒くないわけがない。
「これじゃあ。翔馬先生が寒いじゃん 」
「俺は平気。陽菜ちゃんを抱きしめていれば温かくなるから
あっ、でも、陽菜ちゃんがもっとくっついてくれれば身体温まるかも 。俺にギューしてよ 」
「…うん 」
笑いながら言う翔馬先生を強く抱きしめ返す。
少しでも翔馬先生の体温まってほしいと思いながら。
そして、抱きあったまま数分が立つと、公園のすぐ外の道路に車が停車した。
「真緒の車で来たから行くよ。走るから抱っこするね 」
「…えっ……ちょっと…」
私を軽々抱っこして、走り出してしまった。