ずっと、そばに
「え…? 」
翔馬先生の声で思考が停止する。
いや、違う。
思い出したくなくて、考えるのを拒否しているのか
今は悲しくなんてから嫌な記憶を蘇らせる質問しないで
あんな時間に公園の遊具にいたから誤魔化すことなんてできないけど…
「…何もないよ 」
「嘘つかないで 」
「嘘じゃないよ… 」
「陽菜ちゃん……… 」
まるで私の心の中を見透かしてるように、悲しそうに名前を呼んで、後ろから震えた翔馬先生の手が回ってきた。
「俺、陽菜ちゃんが前から、小学生のとき始めて会った時から辛い思いをしていることも、分かっている。
ずっと何か一人で抱えこんでいたのも。
でも、詳しいことは知らないから俺に言ってほしい。
陽菜ちゃんが好きだから全部知りたいの。
今日のことだけじゃなくて今までのことも
話して思い出すのは辛いかもしれないけど、
これからそれ以上陽菜ちゃんを幸せにできるように頑張るから 」
翔馬先生に体を持たれ、身体をクルリと反転させられた。
翔馬先生の真っ直ぐの目に見つめられて、胸がドキッとする。
優しい言葉が、心に染みて涙がポロリと落ちた。
だけど
『陽菜ちゃんが好き』…それが何度も頭の中で再生されてしまってドキドキの方が大きい。