ずっと、そばに
「陽菜ちゃん、心臓にも負担かかっちゃったかもしれないから
パジャマ着る前に少し診察するね。
俺がいたのに体調悪くなるまで気づかなくてごめんな 」
「………」
翔馬先生は悪くないって、伝えるために首を横に振るものの、
あからさまに距離を取る。
家でまで診察なんてそんなの嫌。
「聴診と瞼を見て貧血の状態確認するだけだから痛いことは何もしないよ 」
ふふっと笑みを溢しながら、
聴診器をカバンから出す翔馬先生
優しい笑顔とは反対に抵抗する隙もなく聴診器は肌に当てられた。
こんなに強引に診察されたことないから
本気で怖がっていないくて、
ただわがままで拒否していることまで見破られているんだ。
「ほら、聴診は終わり。次、瞼見るからね 」
片方に手で顔を固定されて、もう片方の手で瞼を捲くられた
「瞼白いな…ずっと辛かっただろう? 」
「えっ…? 」
「自覚症状なかった? 」
そう聞かれても、さっきお風呂で気持ち悪かったのを除けば何もないから首を振るしかない。
「そっか、こないだ血液検査したときも貧血は気にはなっていたけど、
それよりもかなり悪化している。
短期間でここまでなるってことは栄養失調だな 」
私にパジャマを着させ、下から順番にボタンを、閉めながらそう言われた。
「そうなんだ… 」