ずっと、そばに
「隣座るね。これ飲みながら、いろいろ話して。 甘いもの飲むと栄養もつくし、少しは心の辛さも落ち着くからさ 」
翔馬先生はカップを持ち上げ、一口だけココアを飲んだ
それにつられるように一口飲んで見ると、
甘い味が広がる。
それだけじゃなくて心が満たされる。
真緒さんの料理を食べたときもそうだった。
あの時はこの感覚は始めてだったから気づいてなかったけど、今日は2回目だから意識してしまう。
一口入れるだけでうまく言葉で表せないくらいフワッて温かくなるの…
なんでだろう?
「…美味しい 」
「良かった。愛情こめて作ったから嬉しい 」
あっ、そっか
今の翔馬先生の言葉ですぐ分かった。
優しさがたくさん詰まってるから。
翔馬先生や真緒さんの温かい思いがたくさん詰まってるからだよね。
「陽菜ちゃん……… 」
勝手に疑問に思って、解決していると顔を覗きこまれて
手を重ねられた。
「そろそろ、話せそう? 」
「うん………」
口ではそう返事するのにとっさに翔馬先生から視線を外して次の言葉が出てこない。
防衛本能みたいに思い出したくないって気持ちが沸き上がってきてしまったからだ。
「陽菜ちゃん、俺の顔見て 」
翔馬先生の言うとおりにすると
私の怖さをわかってくれていると言いたげな瞳でしっかりと見つめられた。