ずっと、そばに

「恥ずかしがりやだな、陽菜ちゃんは。

でも、 何か言ってくれるまで止めないから。せっかくだからきちんと言葉で伝える練習だと思って今の気持ち言って 」



練習って…?

顔をあげて翔馬先生顔を見ると視線が交ざる。


「陽菜ちゃんは、思ったこと言えないみたいだからね」



「だって………」



たしかに相手に自分の考えていること伝えられないけど

いつものように目の前にいる人が怖くて何か言えないわけじゃないもん。


安心感があっていつもとは逆だけど、

胸の奥が熱くなってどうしたら良いのかわからないだけ


「陽菜ちゃん 」


そんな私の気持ちを知っているのか謎だけど

私に覆い被さる翔馬先生。


それと同時にドクンと規則正しい翔馬先生の胸の鼓動聞こえた。


ほんの少し強引なところが、いつもとは全く違う。


それでも全然怖くなんてないし

これからどうなってしまうのかわからないのに


こうして包まれてると驚くほど心が癒されていくのが分かる。



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