ずっと、そばに
「おっ、拒否しないで偉いじゃん 」
とびっきりの笑顔で私を見て、髪の毛をクシャクシャ撫でてくれる翔馬先生。
誰が見たとしても大げさなリアクションなんだけど、翔馬先生は私のこと知っているから
小学5年生にもなってお医者さんの診察が怖くていつも泣いていたことも全部。
たしか翔馬先生の膝の上で、診察を受けたこともあったっけ…
主治医の先生も看護師さんも呆れてため息ついていたのに…、翔馬先生だけは
『俺がギューしてるから怖くないよって 』
そう言ってくれた。
翔馬先生の温もりに包まれると、恐怖なんて逃げるようにどっかに飛んでいった…
「はい、聴診終わったよ 」
「もう、終わったんだ 」
小学生の頃のことが頭の中でいっぱいになっている間に
大嫌いな診察も終わっていて、すぐ近くに翔馬先生の顔があった。
「怖くなかった? 」
「…うん、翔馬先生だと平気 」
「そっか、先生嬉しいな。
あと俺ここの医者になったときから陽菜ちゃんの主治医任されているよ 」
一瞬、ホッと安堵するものの、ベットに、座った状態でうつむいてしまう。