ずっと、そばに

「嫌!やだよ…怖いもん 」


「怖いのは良くわかっている
でも、手術受けないでこのまま悪化したら陽菜は死ぬ。だから…その前に… 」



死ぬなんて…そんな言葉聞きたくない。


私は必死で聞きたくないと首を振った。


「やだ、翔馬のバカッ。 死にたくないのに
でもっ… 」


「でも? どうした? 俺にはなんでも言って
嫌な理由でも不安なことなんでも相談して 」


涙を流しながら震えて私を安心させるために、抱きしめたまま、ギュッと手を握ってくれた。



「だって、手術している間に死んじゃうかもしれないから…。 やっと生きていたいって思えるようになったのに…」


リスクがあるなら

それだったら、このまま手術しないで翔馬といっしょにいたい


入院や痛い思いもしないで、普通に楽しく生活して


体が限界になったら死ぬ。



それを運命として受け入れるしかないなんて


そんなことまで考えてしまう。




「せっかく、翔馬といっしょになれたのに、

このまま入院して死にたくない。

翔馬と思い出作りたいの ………グスン 」




つい涙目で見てしまうと、翔馬は


「リスク高いもんな 」



悲しそうな顔でそうポツリと一言。



だけど、その後



私の顔を両手でしっかりと挟んで、真剣な顔に…



「でも、諦めたリなんかしたくない 」



はっきりと大きな声が響いた。












< 148 / 171 >

この作品をシェア

pagetop