ずっと、そばに
「私、手術受ける。 翔馬のこと信じる…」
小さな声でそう返すだけで、声が震えて
もう、それ以上何かを話すことができなかった。
「陽菜、ありがとう 」
「うん……… 」
止めどなくあふれてくる涙に翔馬の手が触れる。
翔馬の手はとても温かくて、顔に熱が伝わる度に
暗い後ろ向きな気持ちが外に流れ出していった。
正直、まだすごく怖いのに。
成功するなんて根拠はないのに、
翔馬ならきっと助けてくれる、絶対大丈夫って
だから頑張ろうって前向きな気持ちに変わっていった。
「翔馬……… 」
翔馬の首すじに顔を擦りつける。
「何可愛いことしているんだよ。襲うよ? 」
「えっ? 翔馬の匂い落ち着くからくっつきたかっただけだもん 」
「それは嬉しいけど、俺だってドキドキするんだから
病気良くなってからこんなことしたら、俺我慢できないかもよ
でも、今日は特別な。陽菜の怖さが少しでもなくなるなら何でもするから 」
「ありがとう 」
翔馬のすべてが好き。
翔馬の顔に笑顔を向けると、私を見つめたままクスッと笑い、
大きくてとても温かい胸の中に、
頭から足の先まで入れてくれた。