ずっと、そばに

病院に着くと…独特な消毒液の臭いがした。


比較的賑やかな出入り口を翔馬と手を繋いでサッと通り

エレベーターに乗る。


エレベータが到着して降りたさきは、

小児科病棟にある処置室の前。



「陽菜、病室行く前にここで、おでこの処置するよ 」


「ここやだっ、入りたくない 」


病院で一番怖い部屋だもん。


小さいとき、ここでお腹に針刺されたから。


なんの為にやっているのかもわからず、

たくさんの看護師さんに手と体を抑えられて、

熱で辛い中お医者さんにものすごく痛いことされた記憶がある。


それ以来、痛いことされる場所って、イメージが強く

ここの部屋の前を通るのも怖いくらい。



こんな子どもみたいになことしてたら

迷惑になっちゃうのに体が震えて足がすくむ



「絶対嫌なの…。はぁはぁ 」


「陽菜ごめん。怖いところ連れてきて悪かった。じゃあ俺の診察室でやろう。少し離れているところにあるから抱っこで連れていくね 」




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