ずっと、そばに
母との決別
ふゎーぁってあくびしてしまうと、
目の前には笑った翔馬の顔。
「可愛いな。眠そうだから、病室行って寝よう 」
「…うん 、でも、歩けるから大丈夫。その変わり手繋いで? 」
私を抱っこしようと伸ばてきた翔馬の手を握って立ち上がる。
「歩くの辛くなったらすぐ言えよ 」
「…うん 」
二人で並んで、診察室を出た。
翔馬の診察室から出たところは
小児外来の待合室で子ども達がいて病院なのに賑やかだった。
小さい子って可愛いな…
でも、やっぱりその隣には優しそうなお母さんがいて
少しだけ羨ましいなんて…
ふと、そう思いながら、小児病棟の方に繋がっている、自動ドアの前を通ったその時…
「弘樹、喉大丈夫? 辛くない? 」
えっ、お母さん………?
聞き覚えのある声が聞こえて、振り返ってしまうと、そこにはお母さんと弟の弘樹がいた。
その瞬間、鋭い目つきの弟が私を見る。
冷たすぎて体の芯から体温が奪われていくような
そんな気までする。