ずっと、そばに
「やめてよ、翔馬……… 」
呼び止めないでよ…
見てるから辛くなるのに…
見なければなんでもない。何も思わない。
自分を守る為に、家にいたときだって、二人のことはずっと視界に入れないで、ほとんど部屋に閉じこもっていたんだから。
「陽菜、大丈夫だよ 」
今にも涙が落ちそうな目で翔馬にうったえていると抱き寄せられる。
そして、私のお母さんの方を向く。
いつもの優しい翔馬からは想像できないオーラで…
まさかここで怒るの…?
こんなところで怒鳴ったりなんかしたら、翔馬が変な目で見られる。
それどころか、患者の親に怒鳴ったりしたら、翔馬が病院辞めさせられちゃうかもしれない…
私のせいで………。
「…翔馬、私は大丈夫だから…。何も言わないで 」
「陽菜が心配するようなことはしないからな 」
白衣をギュッと掴むと、一瞬だけニコッと私の顔を見る翔馬。
そして、またお母さんの方に…