ずっと、そばに
「今まで陽菜のことありがとうございました。
これからは俺が責任持って陽菜を一生愛していきますので、陽菜のこと傷つけるなら、二度と親でも会わせませんので。それじゃあ失礼します 」
口調はとても丁寧なのに、翔馬の横顔がすごく怖い…
そして言ってる内容まで。
それでも、お母さんは興味がなさそうにため息をついて弟とどこかへ行ってしまった。
言いようもないくらい苦しかった。
苦しいのは、翔馬が二度とお母さんに会わせないって言ったことではない。
お母さんのあの冷たさ。
たとえもう会えなくなるとしても、
私に対する感情なんて何もないのはさすがに辛かった。
愛情なんて向けられないってとっくに諦めていたのに…
昔からわかっていたのに
地の底まで突き落とされた気分。
「陽菜、病室戻ろう 」
翔馬の背中に手を回し、自分の感情をぶつけるように、力いっぱいギュッと締めつけると
足が床から急に離れ、ふわっと体が宙に浮く
翔馬は私を抱きかかえ、そのまま病室に連れていった。