ずっと、そばに

「なんだ、そんなことで泣いているのか
俺なんかのために泣くなよ…」


ニッコリと笑う翔馬。


でも、………


「私だって、翔馬のことが心配なんだもん 」



翔馬に言い返しながらも、次から次へと涙があふれてくる。


翔馬は、そんな私を見つめて目元から、私の前髪に手を移動させた。



「ありがと。俺の体、気遣ってくれて
でも、謝ったり、悪いなんて思わないで 」


「うん… 。でも翔馬ちゃんと寝た ? 」


「ハハッ、陽菜はよく俺を見てるな
たしかにものすごく心配で眠れなかった 」


翔馬は柔らかく笑った。
でも、すぐに真剣な表情に戻った。


「けど、俺はもう、大丈夫だよ
陽菜が無事に目を覚してくれたから。それだけで、疲れなんて消えた。陽菜が元気でいてくれるだけで俺は幸せなの 」


寝起きの私をいたわってくれているからなのか
静かな翔馬の声。


「うん、グスン… 」


それでも、翔馬の気持ちがしっかり伝わり、号泣せずにはいられない。


しばらく泣き続けてから翔馬のやさしい瞳を見つめていた。


ずっと、このまま翔馬といたいな…


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