ずっと、そばに

もちろん病院なんて嫌いだということもある。

けれど、
私はどうせ必要とされてない人。

だから、病院になんて行かないで、
悪化して死んでしまえば、

私にお金なんてかけずに
誰にも迷惑なんてかけなくて済む。そう思っていたのも事実。

私の家はお金に困ってないとはいえ、ずっと病気を抱えてないといけない人にお金をかけるなんて無駄なこと…

お母さんにも
『あんたにお金なんてかけたくないけど、親としての義務だから仕方なく』って言われたこともあった。


その時のお母さんの迷惑そうな
顔まで思い浮かべてしまうと
もう涙が止まらなくて、視界がぼやけてきた。


私、翔馬先生の前では泣いてばかりいるよ…

翔馬先生がわかってくれたから安心して
心にあった悲しみの塊がドバッと一気に出てきてしまう


「陽菜ちゃん、
もしかすると嫌なことまで言ったかもしれない。
でもさ、もっと頼って。これは俺からのお願い 」


頭にあった、翔馬先生の手がスルリと目もとにきて、次々と溢れだす涙をひと粒ひと粒、指ですくってくれる。


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