ずっと、そばに
再会 翔馬side
翔馬side
4年前初めて泣いている陽菜ちゃんを見たときから
ずっと、助けたいと思っていた。
傍から見れば病院を怖がって泣いている小学生
でも、いつも病室のベットの隅から動かなくて、
まだ小学生なのに虚ろな目をしていた。
きっと何かを抱えこんでいるはず…。
そう思って俺は陽菜ちゃんに実習の休憩中、積極的に話しかけたり、診察を怖がっていたときに抱っこしたりした。
そしたら少し笑ってくれたりして、
笑顔が見られたのが嬉しくて
もっと心を開いてもらえるように何かできないかと考えた。
けれど、その当時は俺はただの医学部の学生。
未熟だから指示もなく勝手なことはできない立場だし、
陽菜ちゃんの家族でもないから実習が終われば会えない
実習後もずっと、陽菜ちゃんのことが頭から離れなくて
医者になってもう一度会えたら助けようと思い勉強を頑張って、ここの病院に就職して陽菜ちゃんの主治医になりたいって先輩の医者に頼んだ。
陽菜ちゃんは病院に来ない子だったから、思った形の再会とは違かった。
俺が仕事に行く途中、偶然見かけた具合悪そうな中学生がよく見ると陽菜ちゃんだった。
それでも、こうして会えたんだから今度は絶対俺が助ける…