ずっと、そばに
病室のベットで眠った陽菜ちゃんを
見て固く決心する。
少し前に、陽菜ちゃんは入院を嫌がり、逃げようとして、意識を失ってしまった。
心臓の音は問題なかったものの
その時に転んで顔もぶつけて顔にも怪我をして傷口が深かったから縫った。
頑に入院を拒否してる理由も…
きっと陽菜ちゃんの中でいろいろあると思う。
でも、この状態で家には返せないからな…
とにかく家に電話しないと。
医局に向かい病室の固定電話で陽菜ちゃんの家の番号を押した。
なんとなく嫌な予感もする俺。
陽菜ちゃんが小学生で入院してたとき俺は、陽菜ちゃんの家族を見たことが一度もない。
そのことも少しだけ気になっていた。
他の子は毎日家族の誰かが来ていたから…もしかしたら家族から大切にされていないのかもしれない。
もちろん仕事が忙しすぎるとかって理由もあるから
ただの俺の感なんだけど、陽菜ちゃんの悲しそうな目を頭に浮かべると、そんな気がどうしてもしてしまう。