ずっと、そばに

何度が呼び出し音が鳴った後、女の人が電話に出た。


「 はい、秋元です 」


「こちら◯◯病院の陽菜ちゃんの主治医をさせて頂いている木村です
陽菜ちゃんの母親で間違いないでしょうか?」


「はいそうですが、それで何の用ですか?

陽菜のことなら手短にお願いします 」


はっ! それでも母親かよ…

興味の無さそうな声で手短にって、

病院から自分の子どものことで電話かかってきて何も心配しないのかよ。

怒りがプツプツと湧いてきた。


感情のままに話したらヤバイ、この病院の人として言ってはいけないことまで出てきそう。

スッと深呼吸してなんとか冷静になる。


「陽菜ちゃんは、熱があって、心臓の方も検査が必要なので、入院させることになりました 」


「そうですか。入院道具持っていけば良いんですよね。
後で、看護師に渡して置くので適当に取って下さい 」


「ありがとうございます。お願いします
それでは失礼します 」


これでも我慢しているつもりだったけど、イライラがどうしても収まらなくて、ほぼ棒読み状態で心のないお礼を言って電話を切った。


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