ずっと、そばに
ある程度予想はしていたのに、冷たい声であんな風に言われると気分悪い…
俺の勘違いのレベルじゃなくて、
まるで陽菜ちゃんのことを嫌っているような話し方。
あまりにも酷い…。
…なぜかこんなにも苛立っているのか自分でもわからない。俺は普段から周りには穏やだって言われていて、人に怒るなんてことも滅多にない。
でも、陽菜ちゃんの気持ちを考えてみるとあんな態度を娘にとるなんてって、やっぱり思ってしまう。
それと同時に、家族がそばにいてくれない分、俺がそばにいてあげるから…俺のこと信用して辛いこと何でも話してほしい。
そんな気持ちまで生まれる。
陽菜ちゃんが大切な患者さんということはたしか。とはいってもどうしてここまで思ってしまうのか説明がつかない。
だけど、昔からとにかく気になってしまっていた。
いや、今は、それ以上の気持ちまでもある。
陽菜ちゃんの病室まで戻ると、まだ眠っていた。
熱で頬は真っ赤になっていて、呼吸も荒い…
「早くよくなってな 」
サラッとながれている
前髪をそっとかきわけてオデコに触れる。
…そうすると、少しだけ陽菜ちゃんの身体が動き、瞼がゆっくりと開いていった。