ずっと、そばに
「消毒液つけるね。少し染みるよ 」
「いやぁー 。痛い グスン」
液をつけた棒を当てると、
陽菜ちゃんは泣き叫んでしまう。
深い傷だから、かなりの痛さが生じる。
「痛いな。よしよしもうすぐだから、ごめんね」
陽菜ちゃんが痛いことが大嫌いって知っているから、
胸がキュッと痛くなる。
それでも治療はしっかりやらないとだから、顔を固定して薬を塗り続けた。
「終わったよ。頑張れて偉かったな 」
「…グスン 」
「陽菜ちゃん、こっちおいで 」
こんなに泣かせて俺のこと嫌いになって、避けられちゃうかな…なんて不安になった。
けれど、そんな心配はする必要はないみたい。
俺の白衣をギュッと握って、身体を寄せてくる。
「もう痛いことやらない? 」
「今日はしないよ 」
俺の言葉を聞くと、安心したような顔になり、白衣から手を離した。
俺はその手を追いかけるように、腕を伸ばし陽菜ちゃんの手のひらを軽く捕まえた。