ずっと、そばに
「翔馬先生…? 」
「陽菜ちゃんの手可愛くてつい触れたくなって… 」
少しビックリした様子で俺を見つめる陽菜ちゃん…
何言っているんだ俺。
陽菜ちゃんはまだ中学生。
今の発言まるで俺が変態みたいじゃん。
ストレートに陽菜ちゃんを安心させるためっていったら、気を遣われてしまいそうだから、口から出てしまった言葉。
もちろん触れたいとも思っていたからこそ、こんなこと言ってしまったけど、完璧に引かれてしまう。
せっかく少しは仲良くなれたのに…やらかしてしまった
「翔馬先生…ありがとう 」
肩を落として、陽菜ちゃんと顔も合わせられなくなっていると、弱い力で手を握り返してくれた。
“ありがとう”って言われたのにも驚いて陽菜ちゃんの顔に視線を戻すと、ニコッと嬉しそうな顔。
泣いたり、驚いたり、笑ったり、陽菜ちゃんはコロコロと表情が変わる。
まだ陽菜ちゃんのことたくさん知らないけど
感情も豊かな子なんだろうな
陽菜ちゃんともっと近い関係になりたい
医者と患者よりも深い。
笑顔を見た瞬間俺はそう思った。