ずっと、そばに
「グスン…ヒック 」
都合が悪くなると逃げることか、泣くことしかできない
言いたいこともはっきり言えないで
体が大きい赤ちゃんみたいだ。
翔馬先生の前では特にそんな自分の弱さがでる。
泣いていたらもっと呆れられてしまうのに、
翔馬先生にまで嫌われちゃうなんて考えると
どうしても涙が止まってくれないの。
「俺、陽菜ちゃんのこと責めたりしないから、今言おうとしてくれたこと言って 」
完全に冷たい目で見られていると思ったのに、優しいまなざしを向けてくれる翔馬先生。
そして、頭の上にあるのは先生の大きな手。
お母さんや今までの主治医の先生に『痛いことされるのが怖くて隠した』って言えばバカにされるか怒られるのが、当たり前だったけど、翔馬先生は違う。
たとえ翔馬先生には理解できないようなことだったとしても、真剣に話を聞いて向き合ってくれるはず。
常に相手の気持ちを考えてくれる、
先生がそんな優しい人柄なのはもう知っている。
「…グスン、怖かったの。具合悪いって言えば痛いことされるから、 だから隠したの 」