ずっと、そばに

「そんなに逃げられると先生悲しいよ 」


「それ、やらなければ逃げないもん 」


翔馬先生の持っている、点滴や採血の針を指で指す


「陽菜ちゃん… 」


「やだっ… グスン」


翔馬先生が何か言おうとする前に、拒否の言葉が出る。


『痛くないから 』

『大げさすぎる 』


なんて大抵の人が言う、そんな言葉は聞きたくない。

もちろん、翔馬先生ならもっと優しい言葉を選んでくれるとは思うけど、結局は同じような意味のことを言うんでしょ?


医者になるくらいだから、いくら優しくてもこの恐怖はわかってくれないよね?


「採血が嫌いなんて………」


ほら、間接的には他の人と同じことを………。


そう思っていたのに…予想もしなかったような言葉が耳に飛びこんできた。

「俺といっしょだな 」


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