ずっと、そばに
「頑張ってみる。だからっ、痛くしないで 」
「陽菜ちゃん、ありがとう
針刺すから全く痛くないのは無理かもだけど、先生もできるかぎり頑張るね 」
私の顔をしっかりと見てから、再び手を持って、採血をする台みたいなものに腕を載せる。
うっっ…やっぱり怖い…
消毒もされてなくて腕に空気が触れただけなのに
増してくる緊張感。
思わず腕を引っこめたくなってしまった。
「腕まっすぐにしてね。
怖かったら、深呼吸して目を瞑ってて 」
「…うん 」
「駆血帯まくね。これは痛くないから大丈夫だよ 」
腕にゴムみたいなものを巻かれてしまった。
「消毒してチクってするよ。
泣いても良いから動かないでね 」
「あっ…グスン…痛っ 」
腕に鋭い痛みを感じて、
大つぶの涙が出て大声で泣いてしまった。
「針、血管に入ったから後は先生といっしょに
深呼吸しよう。 吸って、吐いて、吸って」
泣きながらも、翔馬先生の声に合わせて息を吸ったり吐いたりした。