ずっと、そばに
「はい、終わり。痛くしたのに動かないで最後まで頑張れたじゃん。先生助かったよ。ありがとう 」
あんなに泣いたのに褒めてくれる翔馬先生…
他の先生だったら、感情のこもってない声で
『もう泣かないよ 』
って言うのに、翔馬先生は私にお礼まで言ってくる。
「翔馬先生っ… 」
だから
無性に甘えたくなってしまう。
心までポカっとなる温もりを求めて、
翔馬先生の胸の中に飛びこんだ。
いきなりこんなことされても
翔馬先生はきっと困ってしまう
でも、どうしたら気持ちを抑えられるかなんて
分からないもん。
「陽菜ちゃんからこんなことしてくれるなんて嬉しい…」
「嫌じゃない? 迷惑じゃない? 」
「全然そんなこと思わないよ
俺のことが嫌じゃなければ、陽菜ちゃんの気が済むまで甘えてほしい 」
そんな言葉が翔馬先生から出てくると、
顔まで埋めこんでしまう。
白衣からはよい匂いもして、顔に翔馬先生の熱が伝わる
人の体温ってこんなに温かいんだね。
体が辛いからなのか眠くなってきた…
心地よさと同時にくる眠気に逆らえなくて
だんだんとウトウトしてそのまま深い眠りについた。