ずっと、そばに

「はい、終わり。痛くしたのに動かないで最後まで頑張れたじゃん。先生助かったよ。ありがとう 」


あんなに泣いたのに褒めてくれる翔馬先生…


他の先生だったら、感情のこもってない声で

『もう泣かないよ 』

って言うのに、翔馬先生は私にお礼まで言ってくる。


「翔馬先生っ… 」


だから

無性に甘えたくなってしまう。


心までポカっとなる温もりを求めて、

翔馬先生の胸の中に飛びこんだ。


いきなりこんなことされても
翔馬先生はきっと困ってしまう

でも、どうしたら気持ちを抑えられるかなんて

分からないもん。


「陽菜ちゃんからこんなことしてくれるなんて嬉しい…」


「嫌じゃない? 迷惑じゃない? 」


「全然そんなこと思わないよ
俺のことが嫌じゃなければ、陽菜ちゃんの気が済むまで甘えてほしい 」


そんな言葉が翔馬先生から出てくると、

顔まで埋めこんでしまう。


白衣からはよい匂いもして、顔に翔馬先生の熱が伝わる


人の体温ってこんなに温かいんだね。


体が辛いからなのか眠くなってきた…


心地よさと同時にくる眠気に逆らえなくて


だんだんとウトウトしてそのまま深い眠りについた。








< 41 / 171 >

この作品をシェア

pagetop