ずっと、そばに

「陽菜ちゃんっ… !!」


すぐに振り返る翔馬先生。

走っていたから息は荒くて、

しかも近くでよく見ると翔馬先生が来ているものは白衣じゃなくてパジャマ。


家で眠っていたのに、探すために

私のために、急いて来てくれたみたい。



「陽菜ちゃん、無事で良かった
病院の外に走って逃げたって聞いたからすごく心配したんだよ 」



「心配…? 」


頭で考えるより先に聞き返してしまう。
ずっと求めていた言葉だから…


今まで誰も私に「心配した」なんていう言葉をかけてくれなかった。


「そうだよ。俺、本気で焦った
一瞬、心臓止まったよ」


最初は真剣な顔だったのに、だんだんと冗談も混じった笑顔になってくる。

だけど、翔馬先生の瞳の奥は変わらない。
真剣そのものの色


こんな状況でも私に申し訳ないとか思わせないように

気を遣ってくれているんだね…



目からは滝のようにドバっと水が溢れてくる。

ぐるぐるする2つの気持ちが混ざった涙。


1つはこんなことさせて申し訳ない気持ち


そしてもう1つは翔馬先生が

心配してくれたのが嬉しくて…

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