ずっと、そばに
「すごく怖かった。自分の考えていたことが。
でも、もう翔馬先生がいるから本当に大丈夫だよ 」
泣いていたら、説得力ない。
手の裏でゴシゴシ目を擦る。
そして、そっと微笑むと、
私の気持ちを察してくれたかのように大きく頷いてくれた。
「わかった。もう大丈夫ならこれ以上俺からは深くは聞かない。でも、辛かったり何か話したくなったらどんなことでも良いから俺に言って 」
「翔馬先生、ありがとう 」
笑っていたいのに新しい涙で視界がボヤけてしまって、
抱っこされたまま自然と顔をうめこむ。
「赤ちゃんみたい… 」
ボソッとつぶやく翔馬先生…
『違う』なんて言い返せないよ。
やっていることが実際そうだから。
少しだけ落ちこんでいると…
「小さくて、可愛いって意味でな 」
そんな思わぬ言葉がして、顔を上げてみた。
するともう病院の中に入っていたから明るくて、
目に映ったのは、ピンク色に染まっている翔馬先生のほっぺた。