ずっと、そばに
モヤモヤ
翔馬先生の腕の中で、少し揺されながらぼんやりと、顔色をながめていると病室のベットに下ろされてしまった。
「陽菜ちゃん、心配だから胸の音聴かせて
それと、体の調子悪いところない?」
「うん…、あのね、翔馬先生 ?」
「ん? 」
聴診を耳にかけながらも、
口角を上げ私に目線を合わせてくれた。
聴診すれば分かってしまうかもだけど、
さっき、発作起こしかけたこと自分から言わないと。
朝の回診のときもう隠さないって約束したから。
「さっき、発作起こしかけた。
走って逃げた後、心臓が変な風になって… 」
「先生に教えてくれてありがとう。
しっかり診ていくから、深呼吸してね 」
服をまくると、翔馬先生の手が入ってくる。
聴診器がピタッと肌に触れるのは少し怖い。
でも、なるべく大きく息をした。
「上手、上手。 今日は少し長い時間聴診するよ 」
きっと音良くないんだろうな…
褒めてくれるものの、翔馬先生の顔が少し険しい。