ずっと、そばに

「はい、服戻して大丈夫だよ………」


「…うん、音悪かった? 」


服を戻してながら、何かを考える素振りをする翔馬先生に聞く。



「心臓の音少し不安定だった。
このままだと陽菜ちゃんが苦しくなっちゃうかもしれないからさ、今から少し頑張ろう? 」


「もしかして、あの…注射するの ? 」


自分の今の体調と、

翔馬先生の申し訳なさそうな顔を見れば
これから何されるかだいたい分かる。


前に発作が起きたときにもされた、

ものすごい痛い筋肉注射されるんだよね。


「かわいそうだけど、発作起きたら危険だから… ごめん」


「ぃや……… 」


眉を下げて私のことを見る翔馬先生…



…これ以上困らせちゃ…ダメって。


自分に言い聞かせる。


「先生…、やっぱり注射………する 」


自分の耳でもはっきり聞き取れない小さな声。


なのに、翔馬先生の耳には届いたみたいで、

目を丸くしてからクシャッと頭を撫でる。



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