ずっと、そばに
「…はぁ 」
静かな病院の廊下に自分のため息の音だけが聞こえる。
真緒といると少し疲れる。
昔から俺にだけはズバズバものを言うからな…
そう思う一方、感謝もしている自分も…
俺一人だったら、きっと、陽菜ちゃんへの想いを気づいていて、気づかないフリをしていた。
いくら心の中で守ってあげたいなんて思っても、恋をしたらダメなんだって自分を抑えていただろう。
俺をからかうような真緒の言い方はひどいもの。
けど、真緒が応援してくれたから、本気なら陽菜ちゃんを恋愛対象として見ても良いんだって、前向きにとらえられた。
とはいっても、陽菜ちゃんに好かれる方法なんて
わからない。
診察するときは患者として見ないといけないし、今まで通り接するしか思いつかない。
それでも、今まで以上に陽菜ちゃんのこと知りたいな…
そして、たとえ叶わないとしても、いつか想いを伝えたい。