ずっと、そばに
「陽菜ちゃん、おはよう。そろそろ起きて 」
次の日の朝。
昨日みたいに回診の前に陽菜ちゃんの部屋を覗いたけど、気持ち良さそうに寝ていたから、陽菜ちゃんの回診は一番最後にした。
それなのに…まだ夢の世界にいる陽菜ちゃん…
穏やかな表情…
しっかり眠れていてホッとするものの、今日は心臓の検査があるから起こさないと…
「陽菜ちゃん、朝だよ 」
陽菜ちゃんのベットの前までいき身体を揺らすと、
ゆっくりと瞼が開かれる。
くっきりと跡のついた二重に、寝起きのトロンとした目
可愛らしいな…なんて思ってしまうと、
陽菜ちゃんがニコリと笑う。
「翔馬先生…おはよ… 」
「おはよう、気持ち良さそうに寝てたね 」
「…うん、こんなに眠れたの久しぶり。
翔馬先生のおかげ。ありがとう 」
「え? 俺、何もしてないけど…どうした?」
深く聞かなくても、良いことかもしれないけど、
陽菜ちゃんともっと会話を繋げたい…。
いや、ただそれだけじゃない…
心のどこかで期待してしまっている。
俺のおかげって…そんな嬉しい言葉が出てくるから…