ずっと、そばに
頭で考える前に出てきてしまった言葉。
陽菜ちゃんの病気を完全に治すのは
今の医学では不可能に近いこと。
手術すれば今よりは良くなるものだけど、完治はできない。
でも、俺は
ただこの場だけ安心させる為に、
言ったわけではない。
陽菜ちゃんの涙を見ると胸がギュッと締めつけられると同時に、
涙を笑顔に変えたいって本気で思った。
「何があっても俺は陽菜ちゃんのそばにいる
陽菜ちゃんの病気が良くなるまで絶対見捨てたりしないから 」
そんなこと言ったって、陽菜ちゃんの不安が消えないのはわかっている。
でも少しでもその不安を小さくなれば…
検査室にまでいくと、
少し遠慮がちに陽菜ちゃんの手を包み込んだ
すると、細い指が俺の手に絡みつく。
「翔馬先生ありがとう
怖いけど、気持ちが楽になった 」
澄んだ瞳で、俺をのことを見つめてから、笑顔に戻る
陽菜ちゃんが愛おしくて、愛おしくて、
陽菜ちゃんへの恋心が、さらに胸の中で膨れあがった。