ずっと、そばに
「こうすれば、陽菜ちゃんの不安少し和らぐかな? 」
耳もとに向かってそっとささやかれる言葉に反応して、もう一度翔馬先生の顔を見ると今度は笑顔。
「怖さから陽菜ちゃんを守ってあげたい…」
目を細めてから、手を握ってくれた。
大きな翔馬先生の手に包まれると不思議なくらい
恐怖なんてどこかに飛んでいってしまう。
さっき、検査前に怖がっていたときだってそうだった。
なんか魔法みたいだなぁ…
「話していいよ…」
ポロリとそう言った。
「ありがとう。じゃあ言うね。
陽菜ちゃんの心臓は4年前の結果より悪くなっていた。
薬も出すけど
退院してからは定期検診も1週間に1回きてほしい。あと………」
翔馬先生の手を握る力が痛み感じるほど強くなる。
「手術のことなんだけど…
病気が悪化してきているから、できるだけ、1年以内、陽菜ちゃんが中学卒業するまでに受けてほしい 」