ずっと、そばに
「走ってない、はや歩きだもん 」
「はや歩きもダメ! 」
キツめの口調。
本当にやったらダメなことだったのか…
「…ごめんなさい 」
「陽菜ちゃんが走ろうとすると焦るよ。
でも、分かれば良いよ。このまま外まで行こう 」
翔馬先生に軽く腕を引っ張られて、足を動かす。
翔馬先生は男の人のなかでも身長が高いけど、私はかなりチビなほう
歩幅は全然違うのに、歩くスピードを私に合わせてくれた。
「歩くの疲れない? 」
「いくら私でもこのくらい、大丈夫だよ
翔馬先生って心配性だね 」
「陽菜ちゃんだから心配なの。
ま、無理しないで辛くなったらすぐ言って。
おんぶするから 」
柔らかに微笑みながらそんなことを言う翔馬先生に 「ありがとう 」って言ってから、再び歩いて外までいく。