ずっと、そばに

「はぁ、着いちゃった………」


ため息をつきながら校門をくぐって


校舎の下駄箱で上履きに履き替えてから教室までいった


もう帰りたい…。


自分の席に向かっているだけなのに、教室中の視線が私の方に向けられる。


みんなの嫌悪感丸出しの表情…が怖い。


なのに、それだけじゃなくて、
ヒソヒソ悪口を言う声まで聞こえてきた。



「誰、あの人? クラスにいた?」


「秋元さんだよ。仮病で休んでばっかりの 」


「えー、そうなの?
最低だし気持ち悪いから近寄りたくないね 」




なんでこんなこと言われないといけないの…?


クラスの雰囲気が怖くて仮病使ったことはたしかにあるけど、それでここにいる人たちに迷惑なんてかけてないのに…


それを声に出して言えたら、少しは楽になるかもしれない


でも、何も言い出せないまま、楽書きされた机に座ってうつむいてしまう。









< 89 / 171 >

この作品をシェア

pagetop