救われ王子にロックオン~溺愛(お礼)はご遠慮させて頂きます~
田中に連れてこられたのは、レジデンスの斜め前に位置するショッピングモールの一角。
あやめと光治が出会うきっかけを作ったと言っても過言ではない場所。
抹茶専門茶処・まつやだった。
ここはあやめの親友夫婦、粟花落創生となつめ夫妻が経営するあやめのお気に入りの場所でもある。
いつもは入店待ちの客が並ぶ入り口には゛臨時休業゛と書かれた札がかけられ閑散としていた。
「臨時休業とは?まつやに何か問題でも起きたのか?」
あやめの親友の店、しかもお気に入りでいきつけの店である。
そんなまつやのピンチだ、光治も力になってやりたい。
「どうぞ、お入り下さい」
神妙な面持ちの田中の表情に、光治の不安も募る。
そんなに大変な状況なのだろうか?
「ごめん下さい」
恐る恐る光治が顔を出すと、店内は色とりどりの花々が飾られ、テーブルには豪華な食事と抹茶のお菓子が所狭しと置かれていた。
「ハッピーバースデー!光治くん」
そんなお祝いの言葉と共に四方からクラッカーが打ち鳴らされた。
今日は光治の36歳の誕生日。
「あやめ、知っていたのか」
「当たり前でしょ。愛する夫の誕生日ですもの」
にっこり笑うあやめの言葉に光治の表情が固まった。
「えっ?あやめ、今なんて・・・」
「愛する夫って言ったのよ。ごめんね。これって光治くんが一番聞欲しかった言葉なのよね?本心だから安心して。こんなに可愛くて一途な人、愛さずにはいられないもの」
光治がちらりと田中を見ると、素知らぬ顔でケーキに蝋燭を立てていた。
「友達に会う用事ってこのことだったの?」
「そうだよ、嘘はいってないでしょ?あ、そうだ。圭吾くん、こっちにおいで」
そう言ってあやめが呼び寄せた人物は、数日前に光治があやめと一緒にいるところを見かけた若い男性だった。
あやめと光治が出会うきっかけを作ったと言っても過言ではない場所。
抹茶専門茶処・まつやだった。
ここはあやめの親友夫婦、粟花落創生となつめ夫妻が経営するあやめのお気に入りの場所でもある。
いつもは入店待ちの客が並ぶ入り口には゛臨時休業゛と書かれた札がかけられ閑散としていた。
「臨時休業とは?まつやに何か問題でも起きたのか?」
あやめの親友の店、しかもお気に入りでいきつけの店である。
そんなまつやのピンチだ、光治も力になってやりたい。
「どうぞ、お入り下さい」
神妙な面持ちの田中の表情に、光治の不安も募る。
そんなに大変な状況なのだろうか?
「ごめん下さい」
恐る恐る光治が顔を出すと、店内は色とりどりの花々が飾られ、テーブルには豪華な食事と抹茶のお菓子が所狭しと置かれていた。
「ハッピーバースデー!光治くん」
そんなお祝いの言葉と共に四方からクラッカーが打ち鳴らされた。
今日は光治の36歳の誕生日。
「あやめ、知っていたのか」
「当たり前でしょ。愛する夫の誕生日ですもの」
にっこり笑うあやめの言葉に光治の表情が固まった。
「えっ?あやめ、今なんて・・・」
「愛する夫って言ったのよ。ごめんね。これって光治くんが一番聞欲しかった言葉なのよね?本心だから安心して。こんなに可愛くて一途な人、愛さずにはいられないもの」
光治がちらりと田中を見ると、素知らぬ顔でケーキに蝋燭を立てていた。
「友達に会う用事ってこのことだったの?」
「そうだよ、嘘はいってないでしょ?あ、そうだ。圭吾くん、こっちにおいで」
そう言ってあやめが呼び寄せた人物は、数日前に光治があやめと一緒にいるところを見かけた若い男性だった。